15.暑熱障害

暑くなって来ると、あちこちで暑さのために倒れる人が増えて来る。

暑さによる障害は、熱が体内に蓄積され体温が上昇したために起きてくるものである。

人間は恒温動物であり、体温調節機構が完備しており、極寒の地から砂漠地帯まで住んでいる。しかし、どこに住んでいても生命を守っているのが水である。 水なしでは3日も持たない。特に、乳幼児の場合水分の出入りが激しく、 たくさん飲んでたくさん出て行く。このため、飲む量が減るとすぐに脱水になる 。 乳幼児では、一日でも危険であると考えておいた方がよい、 つまり、毎日たくさん飲まないといけない。

特に猛暑という天気予報があたることになれば、水分補給は欠かせない。どの程度あれば足りるのかの判断は、天気、屋内、屋外、運動量などによっても 違うし、個人差もある。 確実に判断できる方法としてオシッコの色、量、回数が使える。 いつものように、ほぼ無色透明で、いつもの量、いつもの回数でていれば足りて いる。 これが、黄色みを増してきたり、量が減ったり、回数が減ったりしたら急いで補充することだ。

長々と水の話をしたが、恒温動物である人間がいわゆる「猛暑」に耐えられないはずはない。 なのに、猛暑になると、倒れて、死ぬ人までいる。これは水の取り方が不足していた可能性が高い。 水分が不足すると、周りの暑さに対応して増えるはずの汗が出せなくなる。 汗は体温を下げる上で大きな役割を果たしている。 また、オシッコでも熱は外に出るし、犬が暑くなると舌を出して ハアハアいっているのも同じだが呼吸する時にも、呼気に含まれる水分と一緒に熱は外に出る。

この体温調節に大切な役割を果たしている水が不足すると体温が上昇し始め、 最悪の場合、体の中のすべての臓器に障害が及び多臓器不全といわれる 極めて重篤な状態に陥り、これで命を落とすことにもなる。

子どもたちに水分を! いつでも欲しい時に飲めるようにしておくことも大切。 保育園、幼稚園、学校、クラブ活動・・・子どもの周りには水分が最大の暑さ対 策だ。 水分もどのようなものを用意すべきは考えないといけないだろう。 一般的には、適度の電解質と適度の糖分ということになるだろう。