6.溶連菌感染症

溶連菌感染症の流行が続いている。
この病気の問題は、熱などが下がってから、腎臓が悪くなってくることが少なくないことである。大体、罹ってから2週間くらいで急性糸球体腎炎になることがある。その他の合併症としては、リウマチ熱、中耳炎、副鼻腔炎、肺炎、敗血症などがある。
最近は診断がきちんとされれば、その他の合併症はあまり見られない。

溶連菌の正式名称は、A群β溶血性連鎖球菌である。この菌が、咽頭(のど)で繁殖して咽頭炎を起こした状態が、溶連菌感染症と言われているものである。溶連菌は、咽頭炎以外にも「とびひ」や「蜂巣織炎(あちこちの皮膚のひどい化膿)」なども起こす菌である。

この溶連菌感染症の症状は、突然の発熱(39℃~40℃くらいになることが多い)と全身倦怠感、咽頭痛がみられ、しばしば腹痛、嘔吐、頭痛もある。昨年秋から流行している溶連菌感染症ではいつもより発疹(1~2㎜程度の少し膨らんだ、赤みのあり、痒みも強い)が出ることが多く、発疹だけで受診している子も多くなっている。

また、成人でも溶連菌感染症になっている人が時々あり、症状は子どもよりひどいことが多い。

その他の症状では、舌が赤くなりイチゴの表面のようにザラザラしてくる、耳の下からくびにかけての当たりのリンパ節が腫れてくる、大きくなると2㎝以上にもなり、かなり痛いようだ。

治療は、抗生物質の内服で、熱や発疹などには良く効く。10日以上は飲んだ方がよいと思う。大人は効きにくい人が結構あるが。

ただ、急性糸球体腎炎は起こりうるので、治ってから最低一度は尿の検査をしておく必要がある。