18.Herpangina(ヘルパンギーナ )

ヘルパンギーナは、うつってから、2~4日の潜伏期があり、 突然の発熱、咽頭粘膜の発赤、口腔内(主にノドチンコの周り)に 直径1~5mmほどの周囲が赤い小水疱が出来る。 日本ではだいたい5月頃よりみられ始め、6~7月にピークになり、 8月から減っていく、いわゆる夏かぜの代表的疾患である。 発熱時に熱性けいれんを伴うことや、 口腔内が痛くて不機嫌になったり、食べることが出来なくなったり、 飲めなくなったりする事もある。 口腔内の痛みは、塩辛いもの、酸っぱいもの、硬いもの、 熱いものなどで強くなるので注意して食べたり飲んだりする必要がある。 口腔内の痛みがひどくなると脱水症などになることもある。 ほとんどは予後良好である。

まれには無菌性髄膜炎、急性心筋炎などを合併することがある。

患者の年齢は4歳以下 がほとんどであり、1歳代がもっとも多く ついで2、3、4、0歳代の順となる。 言い換えると、5歳になるまでには多くの子どもたちが このウイルスに罹ってしまっているということ。

今までにわかっている原因ウイルス

  • A群コクサッキーウイルス(CA)(2,3,4,5,6,10型など)
  • B群コクサッキーウイルス(CB)
  • エコーウイルス

感染経路は接触感染を含む経口感染と飛沫感染。急性期にもっともウイルスが排泄され感染力が強い。 回復後にも2 ~4週間の長期にわたり便からウイルスが検出される。

治療・予防

発熱や頭痛、口内痛などに対しては痛み止めを。 時には脱水に対する治療が必要なこともある。 無菌性髄膜炎や心筋炎の合併例では入院治療が必要であるが、 後者の場合には特に循環器専門医による治療が望まれる。

特異的な予防法はないが、感染者との密接な接触を避けること、 流行時にうがいや手指の消毒も役立つかも知れない。

学校保健法における取り扱い

欠席者が多くなり、授業などに支障をきたしそうな場合、 流行の大きさ、あるいは合併症の発生などから保護者の間で不安が多い場合など、「学校長が学校医と相談をして 第3種学校伝染病としての扱いをすることがあり得る病気」と解釈される。 大部分は軽症疾患であり、登校登園については手足口病と同様、 流行阻止の目的というよりも患者本人の状態によって 判断すべきであると考えられる。