8.嘔吐-嘔吐も子どもによくみられる病気のひとつ-

嘔吐は1回でもイヤだが、繰り返すとかなり苦しいものである。
嘔吐の原因はかなりたくさんあるが、
大きく分ければ、

  • ①頻回に嘔吐し苦しいことは苦しいがしかしそれ以上ではないもの
  • ②同様に苦しく放置できない病気の可能性があるもの
  • ③外科的な病気のために頻回の嘔吐が続くものになる。

この①、②、③に対応した原因は下記のようになる。

  • ①ウイルス性胃腸炎、急性中耳炎、溶連菌感染症、など
  • ②髄膜炎、急性脳炎・脳症、脳腫瘍、食中毒など
  • ③腸重積、肥厚性幽門狭窄、急性虫垂炎など

これらの中で最も多いのは①である。特にウイルス性胃腸炎は流行することが多く、一家全員感染した! ということも少なくない。

嘔吐すると口腔内の違和感が強く、水分が欲しくなるし、脱水の心配もする。嘔吐直後に水分を摂取し、また嘔吐ということが良く聞く話である。
嘔吐した時は、最低1時間出来れば2~3時間くらいは何も摂取しないで安静にしておくことが肝要である。 安静にしていても嘔吐が次々に生じてくる時は病院に行くべきである。原因探索が必要で、各種検査も必要となる。

この安静期間中に嘔吐が収まって来れば、暖かいお茶などから摂取を開始し、なるべく早く嘔吐で失った水分の回復に努める。

嘔吐したものの観察も大事である。黄色が強ければ胃液が混じっており、緑色であれば胆汁が混じっている、また唾液状の場合は痰が混じっている。時には血液も混じってくる、胃から、食道から、気管から、鼻血?・・いろいろなところから血は出てくる。色や量などよく見ておくことと、医者に行く時は持って行った方が役に立つ。