34.病児保育は必要悪?

病児保育は必要悪?

反対意見としては「子供が病気の時くらい母親がちゃんと世話するべきだ」「子供は病気のとき母親の看病を望んでいる」「働く母親に休む権利を与える方策のほうを考えるべきだ」「仕事をして収入を増やすより愛情を子供に注ぐことを考えるべきだ」などです。だけど、現実には、急な子供の発熱や感染症に困り果てているお母さんたちがいます。理想的には、「看護休暇」として、子供の看病のための休暇が取れるのが一番です。それも、母親一人が休暇を取りつづけるのではなく、父親、時には祖父母も看病のための休暇が取れることが必要です。でも、現実的には、それは可能でしょうか?

親は子供が病気のときに必ず休めますか?

一口に子供が病気の時くらいと言っても、実際に子供を育てられた方ならわかると思いますが、子供が集団保育に行き始めた1年目などは頻繁に風邪や色々な病気にかかります。その度に、完全に良くなるまで親が仕事を休めるでしょうか。休む権利があることと、実際に休めることとは別です。学校の先生をしているお母さんの子供が参観日の朝に発熱したとき、美容師のお母さんの子供がおみせが忙しい日に調子が悪くなったとき、経理の仕事をしているお母さんが決算の期限が迫っているときに子供がみずぼうそうになったとき、簡単に休めるでしょうか。交代のきく仕事のお母さんだって休みが度重なれば有休がなくなるし、解雇の心配もしなければなりません。仕事を失うと経済的にすぐに困る家庭もありますし、今やめてしまうと将来復帰の難しい職業のお母さんもいます。

仕事をしていないお母さんだって

仕事をしていないお母さんだって、お姉ちゃんが楽しみにしている親子遠足の日に妹が熱を出した、引越しの日に子供が熱を出した、他の子供の入院の付き添いをしなければならない、お母さん自身もインフルエンザで寝込んでいるなど、どうしても子供の看病ができない場合があるのです。たとえ仕事をしていなくても、様々な状況があります。頼る親戚が近くにはない場合、本当に困ってしまうのです。

病気の状況にもいろいろあります

もちろん子供の状況によっては仕事や他の用事よりも看病を優先させなければならない時だってあります。たとえばベアーズデイサービスセンターでは入院が必要な時や今すぐ点滴が必要な時は預かりません。でもそのような状況以外に保育園に登園できない状況はいろいろあります。38度以上、保育園によっては37度以上の熱があると登園できません。下痢が続いているとき、多くの保育園では特別におかゆなどを作ってはもらえません。みずぼうそうやおたふくかぜのときはどんなに軽く、元気な状態でも登園できません。

お母さん、お父さんの看病

ベアーズデイサービスセンターでは1~2人の子供に1人の看護婦あるいは保育士がついて、病気を治せるように最大限の努力で看病をします。食欲がない子供には食べることができるもの、飲むことができるものをさがしていろいろ与えます。そして子供たちの様子を一時間毎に記録します。発熱や下痢などの症状のほかに何をどのくらい食べて飲んだか、尿が何回どのくらいでたか、機嫌が良かったか、何をして遊んだか。退室の際にその記録をお迎えの方に渡します。子供の状況をなるべく詳しく、お母さんたちに伝え、夜から明日の朝までの看病に役立ててもらうためです。最終的に責任を持って子供を看病するのはお母さん、お父さんなのです。