23.子育て支援には、社会の意識改革も大切

母親や父親による乳児虐待事件を見ていると、「子育て」をしている人たちの中に、
孤立し、行き詰まり、自分で自分が制御できなくなり、本当に叫び声をあげている人たちがいる! と思えてくる。

育児支援施策は、下記のように多くの事がなされている。
母親教室、1か月健診、6か月健診、1歳半健診、3歳児健診、育児相談室、カウンセリング、ブックスタート、乳児院、乳児保育、未満児保 育、保育園、幼稚園、一時預かり事業、延長保育、休日保育、病児保育・病後児保育、夜間保育、こども110番、こどもシェルター、児童虐待防止法、児童憲 章、児童相談所、ファミリーサポート、ベビーシッター、まだまだある。

しかし彼らはこういういろいろな制度があるにもかかわらず孤立をしている。
こういう制度をきちんと理解できず、利用も出来ない人もいるし、知っていても、思い切って制度を利用できない人もいる。
私の周りの専業子育て中のお母さんの中には、一日中一緒にいることを時には負担に感じるという人もある。

こういう人たちにこそ、ここに挙げたいろんな制度を利用すると良いのだろうが、実は、困ってしまった人ほど閉じこもってしまう。

なぜ閉じこもるのか?

良く聞いていくと、「専業で子育てをしているのだから!」 と周りから言われ、自分でもそう思い、「子育てに疲れている」、「時には子どもと離れたいなどと決して言えない」という声が出てくる。鬱状態にまでなりお母さんが通院をはじめた人もいる。

こういう人たちの話を聞いていると、乳児保育などを含めた上記すべての制度がもっと気楽に利用できるようになって欲しい。

今は、制度はいろいろ整備されつつあるが、「それを利用する母親は良くない!」「子どもがかわいそう!」「産んだ責任は親が」などなど決して「罪の意識?」なくしては使えないような雰囲気がまだまだ蔓延している。

こういう制度を利用して、子育てをしていくことを許容するように、社会の意識が変わっていくことを望んでいる。