31.強制はやめよう

診察が終わって、おとなと子どもの会話。

「さあ、何て言うの?」、「どうして言わないの?」、「早く言いなさい」

子ども達は強制されて仕方なく「ありがとう」、「さようなら」。

これもおとなの問題行動のひとつではないだろうか。

おとなが手本を示していれば子ども達はよく見て、強制されなくても言うようになる。手本を示さない親に限って強制することが多いように見える。

怒ったり叱ったりするよりも誉めることが大切だが、誉めるというのは煽てることではなく、子ども達の日常をよく観察し、誉める準備をしておく必要がある。子ども達は毎日のように成長・進歩が認められる。その成長・進歩に素直に感動し、喜び、それを表現して伝えることが大切であり、これが誉めることであると思っている。イタズラにはおとなが事前にイタズラに対して備えておくことが大事。落書きは鉛筆やクレヨンが使えるようになった証拠であり、物を投げるのは投げることが出来るまでに成長したのである。これは喜ぶべきことで決して怒ったり、叱ったりする事ではない。多くのイタズラは予測できることであり、イタズラされても良いように、片づけたり、壁紙を張り替えたりすれば済むことなのである。