17.風疹(ふうしん)

○風しんとは

風しんウイルスによって起こる病気。 このウイルスに感染して2~3週してから、発熱、全身に淡い発疹、 耳の後ろや頚部あるいは後頭下部のリンパ節が腫れがみられる。 普通は数日で発疹は消え、熱も下がる。 稀には、血小板減少性紫斑病や脳炎などの重篤な合併症を併発することがある。

また、感染しても無症状のもの(不顕性感染者)が約15%存在するといわれており、 発熱、発疹、リンパ節腫脹がすべてそろわない場合もある。

上気道粘膜より排泄されるウイルスが飛沫を介して伝播される。 うつる期間は発疹がでる前と後の約1 週間といわれているが、熱が下がると 排泄されるウイルス量は激減し、感染はあまりしないと考えられている。

平成6年以降は大流行はなく、局地流行や小流行に留まっている。

○先天性風しん症候群

妊娠初期の女性が風しんに罹患すると、風しんウイルスが胎盤を介して 胎児に感染し、出生児が先天性風しん症候群を発生することがある。 妊娠中の感染時期により重症度、症状が異なるが、出生児は白内障、 先天性の心臓病、難聴などがみられる。 その他、子宮内での発育の遅れ、網膜の病気、緑内障、小頭症、髄膜炎、 精神運動発達の遅れ、肝臓や脾臓が腫れ、血小板減少性紫斑病などの 症状が出生児にみられることがある。

先天性風しん症候群に対しては、

  • ・個人防衛として女性は妊娠する前にワクチンによって
    風しんに対する免疫を獲得すること
  • ・妊娠したら風しんウイルスに曝露されないようにすること

が重要である。