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5.子どもの病気

56,小麦粘土、牛乳パック

最近アレルギー事故が散発しています。
先日は1歳児が食べたことのない卵を食べてアナフィラキシーを起こしています。
離乳期には「食べたことがないものを保育園ではじめて食べる」のは危険です。

小麦アレルギーがある場合、小麦粘土も危険です。
小麦アレルギーがあるかどうかは、
小麦と接触したり、食べたりした後でしか分かりません。
すべても子どもの小麦アレルギーを常に把握することは現実には不可能です。
小麦粘土の使用はしないように徹底してください。

牛乳パックは工作に使うのはやめた方が無難です。
代わりのものを考えていきましょう。
牛乳パックに微量でも乳成分が残存していると
接触したり、舐めたり、口に入れたりしたらアレルギー症状が起きます。

その他にも食べ物だけでなく玩具などにも
アレルギーを起こしやすいものが使用されていないか注意してください。…

51,熱中症

今年も熱中症が多く発症していると報道されている。
熱中症という病名から、どうしても熱(暑さ)が原因と考えられがちになる。
しかし、熱(暑さ)が関与していることは間違いないが、もっとも大きな発症原因は水分不足である。
水分不足(急激に起こる脱水症)が熱中症を引き起こすと考えて対処が必要である。

急激に起こるため、症状が出始めてからでは水分補給は間に合わない。
冷却も無駄ではないと考えられるが、本態である脱水症は冷やすことで解消されるわけではないので、
冷やしているから大丈夫と安心してしまうと手遅れになることもある。

めまいや立ちくらみ、吐き気、フラフラするなど軽度の時でも、
冷やすだけでなく「水分補給が出来るか出来ないか」が医療機関受診の判断基準になる。
脱水症だから水分補給が出来るということはなく、むしろ脱水症のため経口水分摂取が
出来なくなることが多い。

熱中症は予防が肝心であるが、水分が欲しくなったら飲めばよいのではなく、
事前に予防的に水分補給を行っておくことが有効である。

炎天下で運動をするのであれば、運動開始前に水分を補給し、
運動中も早め早めに水分を飲むことが運動中の熱中症予防の方法である。
一斉に飲めばよいのではなく、個々人に合わせた水分補給が必要である。

屋内や日陰でも同じことで、必要な水分が補給されていないと熱中症になってしまう。
炎天下から日陰に移動し安心してしまい、水分補給を怠ると熱中症になるので注意が必要である。…

50.嘔吐・下痢 水分補給

最近ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行している。嘔吐、下痢、発熱、腹痛、頭痛などがみられる。

 

嘔吐はひどい時は一晩に10回以上あり、朝にはぐったりしてくることもある。嘔吐は3日~4日続く時もある。発熱は10人中2~3人にみられ、2~3日くらい続き、高い時は40℃を超えることもある。頭痛は結構強く、大きな子どもたちや大人の表現を借りれば「頭が割れそう」というくらいである。下痢は特効薬があるわけではないので食事療法が大切である。適切な食事療法を怠ると延々と下痢が続くこともある。長い時は月単位になり得る。腹痛は腸が動く時に生じてくるので間欠的である。痛みが間欠的でなくなってきたら別の病気を考えるので受診することが大切である。下痢が出る前には主に下腹部(ときにヘソの周り)に結構強い痛みが生じることもある。また、嘔吐の前には「みぞおち」のあたりに我慢できないくらいの痛みが生じ、顔色も真っ青になったり、冷や汗が出たりすることもある。

食事療法で大事なのは水分補給である。目安として、体重が10kgまでの場合、体重1kg当たり100mlくらいは最低必要である。つまり、8kgであれば800ml以上、10kgであれば1,000ml以上が必要となる。15kgくらいだと1,200~1,300ml、20kgであれば1,500ml程度となる。これは最低限であり、下痢にたくさんの水分が出てしまえば、それを補う必要があるのもっと増やす。また、尿量が確保されているかどうか、こま目に注意をしていくこと水分が足りているかどうか判断できる。無色透明無味無臭な尿がいつもと同じくらいの量出ているとOKである。黄色みが強くなり異臭が出てきて、更に紅茶のような色になり尿量も減ってきたら脱水症も考えなければならない。体重計測して減っていくのは困る。

食事の内容としては、おかゆ、うどんが主になる。出来れば舌で潰せるくらいの固さのものが良い。冷たいものは良くない、腸を刺激し動きを激しくする。油もない方が良い。油は腸から吸収されるまでに時間が掛かるので、腸の動きが早くなっている時には摂取しないことである。果物では、リンゴ、バナナは大丈夫と考えている。リンゴは摺りおろしたものが良い。飲み物は、子どもたちが飲めることが大前提である。飲みにくいもの、飲めないものを勧めても、飲んでくれないことにはどうにもならない。スポーツドリンク(これも色々ある)、薄い紅茶、砂糖湯、お茶(これも色々)、経口補液製品(これも色々)など色々試してみるとうまくいくこともある。…

44.腹巻き、スリーパーの効用

子どもたちの肌荒れが秋頃から目立つようになったと以前に書きましたが、
冬真っ最中の今でも同様に肌荒れが目立っています。

よく聞くのが、子どもが夜間、布団から飛び出して、
気がつくと布団・毛布など何も掛けないでいる。
寒いのではないかと心配で厚手の布団を使用したり、
厚手の毛布を重ねたりしているが、飛び出すことはいっこうに収まらない。

いろいろ聞いてみると、腹巻きやスリーパーを使用し、
厚手のパジャマを着せ、さらにトレーナーを着せて寝かしているという人まで現れた。
さらに夜間も寒いと思い暖房をしたまま眠るようにしている人もいる。

このような場合、子どもが夜間に掛け布団の中に収まっていることはないようで、
子どもは皆、親の努力にもかかわらず、布団の外で眠っている、汗をかきながら。

子どもたちは暑がりであり、暑いのである。
昔のすきま風が入るような家の作りであれば腹巻き、スリーパーも立派に役立つかもしれない。
しかし、日本の家屋の多くはサッシが使用され、
屋内は暖かく、すきま風などなくなっているだろう。
この状況では、腹巻きやスリーパーは子どもが暑くて困ってしまう。

さらに、暑いから夜中に取ろうとしても、
親切にも出来るだけ取れないように作られているから取れはしない。
結局暑くてたまらないけれど我慢して朝がくるまで待つのみである。
この間に汗はせっせと肌荒れを作っている。

腹巻き、スリーパーは無用の長物になっている。

——————————————————————————–Kaname Tanimoto 14.01.26…

43.保育園と病気の子

子どもの病気の多くは急性疾患である。
保育園に通っている子どもたちのほとんどは「急性疾患にかかっていない」と
いうことが前提となっている。

子どもたちの急性疾患では、症状が現れてから急速に悪化していくことも少なくない。
子どもたちが自分の状況をきちんと訴え、表現することが出来ないことも影響しているだろう。
子どもたちの健康状態、病気を重大さ(状態の悪化具合)を診ていくとき、
33℃台以下の低体温、血圧が低くて脈がとれない、呼吸困難が起きている、
意識がおかしい(混乱していることも含めて)、けいれんが止まらない、
心臓が止まっているなど極めて重度と考えられる場合もある。

しかし、多くの場合、このような重度のことは少ない、
このようになる前に見つけることが出来るし、見つけなければならない。

なにを診ていけば子どもたちの体調不良を早期に見つけることが出来るか。

まず第一に上げられるのは、普段の子どもの観察である。
元気な状態がわかっていれば今どこが変わってきたか容易く判断できる。
食欲、睡眠(寝付き方、眠り方、睡眠中の寝言?、睡眠時間など)、水分摂取、

表情・顔つき、目つき、しゃべり方、歩き方・走り方、
遊び方(普段は走り回っている、よく遊んでいる遊具など)、
周囲への関心、機嫌など普段の状態が変わってくれば、
「どこか、何かがおかしい」と考えてみるべきである。

ここを出発点として、発熱している、咳が出る、おう吐した、
下痢をした、腹痛があるなどの症状が見つかる場合もあるだろう。
しかし、見た目にはこれといった症状は見つけられず、
前述の「普段と違う」としか言えないこともあるだろう。
この場合は、普段と違うという「症状」がなぜ起きているかを
見つけていくことが求められ、「なんとなく食欲がないのだろう」
「寝不足かも」など勝手な推測は厳に慎むべきで、
すぐに普段の状態に戻らない場合は、
医師の診断を求める必要も考慮すべきであろう。

「原因なくして普段と違うことはあり得ない」のである。

 

——————————————————————————–Kaname Tanimoto 14.01.13

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新しい石けん

赤ちゃんが生まれると色々と気になってくる。例えば、今まで普通に使っていた石けんを赤ちゃん専用の石けんを用意するのが普通になっているようである。ところが、少しでも肌荒れが起きてくると原因は身近なものに求める傾向があり、石けんは目に付きやすいものの一つのようである。赤ちゃん専用の石けんはそのまま使い続けて良いかと聞かれる事が多い。肌に直接触れるので気になりやすいのだろう。赤ちゃん用と銘打った石けん、シャンプー、洗剤はたくさんあり、価格も普通の石けんよりは少し高いようである。「どの石けんが良いか」という質問があるが、どれが良いかは使ってみるしかないといつも答えている。赤ちゃん用となっていなくても、赤ちゃんの肌に何らかの悪影響(肌荒れ、湿疹など)が出るかでないかで判断するしかない。今使っている石けんで特に大きな問題がなければ、いくら赤ちゃんの肌によいからと勧めれても、わざわざ高いものを買う必要はない。肌荒れの原因の多くは汗や衣服による刺激であり、石けんが主因ということは少ない。もし、肌荒れが気になり、石けんを新しものに変えてみたいのであれば、どれを選べばよいかは結果を見るしかない。新しい石けんを初めは片腕だけ、片足だけなど限られた部位で使い始めてこれまでのものと比較しながら結果を判定する事が必要だろう。

——————————————————————————–Kaname Tanimoto 13.01.06…