子どもの病気の多くは急性疾患である。
保育園に通っている子どもたちのほとんどは「急性疾患にかかっていない」と
いうことが前提となっている。
子どもたちの急性疾患では、症状が現れてから急速に悪化していくことも少なくない。
子どもたちが自分の状況をきちんと訴え、表現することが出来ないことも影響しているだろう。
子どもたちの健康状態、病気を重大さ(状態の悪化具合)を診ていくとき、
33℃台以下の低体温、血圧が低くて脈がとれない、呼吸困難が起きている、
意識がおかしい(混乱していることも含めて)、けいれんが止まらない、
心臓が止まっているなど極めて重度と考えられる場合もある。
しかし、多くの場合、このような重度のことは少ない、
このようになる前に見つけることが出来るし、見つけなければならない。
なにを診ていけば子どもたちの体調不良を早期に見つけることが出来るか。
まず第一に上げられるのは、普段の子どもの観察である。
元気な状態がわかっていれば今どこが変わってきたか容易く判断できる。
食欲、睡眠(寝付き方、眠り方、睡眠中の寝言?、睡眠時間など)、水分摂取、
表情・顔つき、目つき、しゃべり方、歩き方・走り方、
遊び方(普段は走り回っている、よく遊んでいる遊具など)、
周囲への関心、機嫌など普段の状態が変わってくれば、
「どこか、何かがおかしい」と考えてみるべきである。
ここを出発点として、発熱している、咳が出る、おう吐した、
下痢をした、腹痛があるなどの症状が見つかる場合もあるだろう。
しかし、見た目にはこれといった症状は見つけられず、
前述の「普段と違う」としか言えないこともあるだろう。
この場合は、普段と違うという「症状」がなぜ起きているかを
見つけていくことが求められ、「なんとなく食欲がないのだろう」
「寝不足かも」など勝手な推測は厳に慎むべきで、
すぐに普段の状態に戻らない場合は、
医師の診断を求める必要も考慮すべきであろう。
「原因なくして普段と違うことはあり得ない」のである。
——————————————————————————–Kaname Tanimoto 14.01.13
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