51,熱中症

今年も熱中症が多く発症していると報道されている。
熱中症という病名から、どうしても熱(暑さ)が原因と考えられがちになる。
しかし、熱(暑さ)が関与していることは間違いないが、もっとも大きな発症原因は水分不足である。
水分不足(急激に起こる脱水症)が熱中症を引き起こすと考えて対処が必要である。

急激に起こるため、症状が出始めてからでは水分補給は間に合わない。
冷却も無駄ではないと考えられるが、本態である脱水症は冷やすことで解消されるわけではないので、
冷やしているから大丈夫と安心してしまうと手遅れになることもある。

めまいや立ちくらみ、吐き気、フラフラするなど軽度の時でも、
冷やすだけでなく「水分補給が出来るか出来ないか」が医療機関受診の判断基準になる。
脱水症だから水分補給が出来るということはなく、むしろ脱水症のため経口水分摂取が
出来なくなることが多い。

熱中症は予防が肝心であるが、水分が欲しくなったら飲めばよいのではなく、
事前に予防的に水分補給を行っておくことが有効である。

炎天下で運動をするのであれば、運動開始前に水分を補給し、
運動中も早め早めに水分を飲むことが運動中の熱中症予防の方法である。
一斉に飲めばよいのではなく、個々人に合わせた水分補給が必要である。

屋内や日陰でも同じことで、必要な水分が補給されていないと熱中症になってしまう。
炎天下から日陰に移動し安心してしまい、水分補給を怠ると熱中症になるので注意が必要である。