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3.保育園

62. 写真、文字、絵などでの指示・命令

棚や「かご」などの入れ物に、並べるべき、入れるべき、おもちゃやカードなどの写真を貼って「片付けやすく」している例が見られるようになってきた。
これは新・保育指針でおこなわれる講演会などでスライドなどで示されたものを学んできておこなっている。あるいは他の法人の保育園でおこなっていて、子どもたちが片付けが上手になったなどの話から取り入れてきているとのこと。

このような方法で子どもたちが上手に片付けることができるのは間違いないだろうと思います。
しかし、よく考えてみてほしい。これは、子どもたちに、貼った写真と同じようになるように強制していることにならないだろうか?子どもたちは真似をすることは考えても、自分でものの置き方を自由に考えることはできない。失敗して工夫を重ねる事もない。 ただ黙って考えることなく上手に真似をすることで褒められる。

真似ができない時は怒られる?先生の顔つきが変わる?嫌みを言われる?何回教えたらできるの?昨日も教えたよ、00さんは上手だよ!

ただ真似をすることが目的ではなく、子どもたちが自ら考え、工夫して片付けていくことの方が大切ではないだろうか?

散らかっていたら職員が片付ければ良いこと。
子どもたちが片付けようとして困って相談にきたら少しヒントを与えれば良いこと。きれいなことだけが良いことでは決してないと思います。

ある保育園の運営法人に応募した時に、当法人運営園見学の時「この保育園は、すごくきれいに片付いていますね。きれいですね。でも、子どもたちが遊んでいる、遊んでいた痕跡がありませんね。」ということで選考されませんでした。

2019/02/28

aname tanimoto…

59.発達障害2 2歳11か月男児

ある日の保育日誌から
近くの体育館まで行った。体育館や公園などの広いところが苦手のようで、今日も皆から外れて一人で走っていた。いつもの姿である。狭いところを好む。
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この日誌の記載の通りで、この子は広いところは本当に嫌いなのかもしれない。
広いところに行くと何をしたら良いのか分からないのだろう。

この子が広いところでも興味を示す遊び、遊具は見つからないのだろうか、
この子にとって狭くも広くもない、丁度良い広さの遊び場はどれ位であろうか、
このような検討がされると何か見つかるかも。

この子が興味を持つ遊具は何だろうかと探してみるとよいだろう。
いつか見つかるかも。
この子が一緒に遊べる何かを見つけることが、この子の発達に役立つだろう。

狭いところが好きでいつもそこに居たがるのだから、
その邪魔をしないようにしよう、と考えるのではなくて、少し考え方を変えていこう。
狭いところも広いところも自由に行ける方が多分楽しいと思う。
そのためには、何があれば広いところで楽しむことができるか、
いろいろ探していけば、
少しずつ広いところに向かって出て行くことができるようにならないだろうか?…

58. 発達障害? 2歳11か月男児

2歳11か月男児
ある日の保育日誌から

給食の時、友だちの食べる姿を見るように声をかけ、「おいしそうだね」「上手に食べてるね」など声をかけていると、その姿を見て真似て食べようとする。
保育者が介助することは嫌がるので、カボチャを少しのせたスプーンを手に持たせると口に運び食べてくれた。一口だけであったが、保育者は「おいしいね」「食べられたね」と声をかけ、十分に褒めるようにした。今までご飯以外口にしたことがなかったので保育者皆で喜んだ。今後も無理強いせず、食事を楽しいと感じられるようにしていきたい。
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スタッフは何とかいろいろなものを食べて欲しいと頑張っている。その頑張りがなかなか通じない。一口でも食べてくれた喜びが伝わってきます。食べて欲しいという気持ちは大切です。いつか通じるものです。あきらめないことが大 切です。

この場面も含めて、もう一工夫するともっと通じるかも。

【食物アレルギーの場合】
食物アレルギーがある子の場合、もっと工夫をし、努力をして対応していると思います。食材にアレルゲンが入らないように、食べる時に誤食しないように、誤って食べた時どうするか等々。これはどこでもおこなっていることではないでしょうか。

【この子のための献立】
この子はご飯しか食べてこなかった。多分そうなんでしょう。これまでスタッフは出てきた献立の中から何とかご飯以外を食べてくれないか、一口でも!と思って頑張ってきたのでしょう。皆で喜んだ!、それくらいうれしかったのでしょう。皆で頑張ってきた思いが伝わってきます。
献立作成時に立ち返って、「この子のための」献立まで工夫をするともっと思いが伝わっていくのではないでしょうか。
皆のために作られた献立を想いを込めて食べてくれ!というだけでなく、調理室のメンバーや看護師なども一緒になって「この子ための献立」「この子が食べる献立」を作ることが出来ると良いと思います。食材選びも大切ですし、調理法も大切です。

【この子のための食器選び】
《手で食べる》
この子はスプーンでうまくすくうことが出来ないようだ。この子が出来ないのか?
できないなら手で食べることもひとつの方法と考えてはどうだろうか。
いつか上手に道具が使えるようになるのを待っても良いと、気長に考えるのもひとつの方法でしょう。

《スプーンの形》
スプーンの形を考えてみてはどうだろうか。スプーンの匙の部分は掬いやすいか、柄の部分は掴みやすいか。

《皿や茶碗》
皿や茶碗についても考えてみてはどうだろうか?スプーンで食べるのに向いているか。浅すぎたり,深すぎ
たりしてはいないだろうか。大きさは合っていて食べやすいだろうか。

《食事》
出された食事はスプーンで食べるのに向いているだろうか?堅さはどうだろう。大きさはどうだろう。
この子が「おいしそう」で食べたいと思うようなできあがりだろうか。

できればスタッフから「おいしいね」と言われる前に本人が「おいしい」と喜んでくれるとうれしいですね。…

56,小麦粘土、牛乳パック

最近アレルギー事故が散発しています。
先日は1歳児が食べたことのない卵を食べてアナフィラキシーを起こしています。
離乳期には「食べたことがないものを保育園ではじめて食べる」のは危険です。

小麦アレルギーがある場合、小麦粘土も危険です。
小麦アレルギーがあるかどうかは、
小麦と接触したり、食べたりした後でしか分かりません。
すべても子どもの小麦アレルギーを常に把握することは現実には不可能です。
小麦粘土の使用はしないように徹底してください。

牛乳パックは工作に使うのはやめた方が無難です。
代わりのものを考えていきましょう。
牛乳パックに微量でも乳成分が残存していると
接触したり、舐めたり、口に入れたりしたらアレルギー症状が起きます。

その他にも食べ物だけでなく玩具などにも
アレルギーを起こしやすいものが使用されていないか注意してください。…

55.母乳と粉ミルク

母乳の続け方、やめ方はこれまでも何度も議論され右に左に
大きく振れながら今に至っています。
(続けて行く推進論は右か左かは不明ですが?)

母乳は人類が地球上に現れた時からあったと推測できます。
この当時はまだ食べ物も少なく、赤ちゃんは母乳以外で
育つことはできなかったのではないでしょうか?

ということは、赤ちゃんはいつ断乳したのか?、いつ母乳をやめたのか?
多分、結構大きくなるまで母乳を飲んでいた?
食べ物がないときは母乳!!だったのでは?
赤ちゃんは結構長く母乳を飲みながら人類は生き延びてきた、これが真実?
いつ母乳をやめるか、これが現代の問題である。

粉ミルクはWikipediaによれば1800年代に登場(日本は1917年らしい)したそうである。
それまではほぼ母乳であったであろうから、
赤ちゃんにとって母乳をいかに確保して貰うかで
生死が分かれることになっていたであろう。

乳母という人間独特の方法を編み出してからは、
協力しながら多くの子どもたちが助けられたであろう。
こういうことは人間らしさ、人間の良いところである。

母乳崇拝に近い人たちも現在いる。
彼らは愛着、免疫という面から母乳推進論にあまりにも拘りすぎているようにみえる。
母乳さえ飲んでいれば少々の栄養不足は気にしないと断じる人もいるが、さすがに極端であろう。
子どもたちは「子どもの権利条約」を持ち出すまでもなく、
生まれながらに「育つ」権利を持っているのだから、
それを「主義主張」の犠牲にするのは如何であろうか。

母乳崇拝に近い人たちの言うように母乳でありさえすれば問題が何も無いわけではない。
母乳にはある種のビタミン、ミネラルが不足しており死に至っていた
ことも分かって対策が実行されている。
現在の粉ミルクにはこのビタミン、ミネラルは配合されている。

母親がある種のウイルスに感染している場合、
ウイルスが母乳を通して赤ちゃんに感染することが
分かってきて母乳を与えないことが推奨されている。
このウイルスに感染しているかどうかは血液検査で分かるので、
妊娠中に検査することになっている。

現在まだ不明の母乳の問題が今後も明らかにされてくる可能性もある。

母乳はすべてにおいて万能であると考えるのは少し無理がある。
母乳はあくまでも一人一人のお母さん、家族の問題と考えていくのが自然であろう。

粉ミルクにもいろいろあるが、粉ミルクが一方的に勧められるのもどうであろうか。
まず、金銭的負担が大きい、特にアレルギーミルク、下痢用ミルクなど
特殊なミルクは高価である。
ドラッグストアやスーパーなども特売を利用すれば安くはなるが、…

51,熱中症

今年も熱中症が多く発症していると報道されている。
熱中症という病名から、どうしても熱(暑さ)が原因と考えられがちになる。
しかし、熱(暑さ)が関与していることは間違いないが、もっとも大きな発症原因は水分不足である。
水分不足(急激に起こる脱水症)が熱中症を引き起こすと考えて対処が必要である。

急激に起こるため、症状が出始めてからでは水分補給は間に合わない。
冷却も無駄ではないと考えられるが、本態である脱水症は冷やすことで解消されるわけではないので、
冷やしているから大丈夫と安心してしまうと手遅れになることもある。

めまいや立ちくらみ、吐き気、フラフラするなど軽度の時でも、
冷やすだけでなく「水分補給が出来るか出来ないか」が医療機関受診の判断基準になる。
脱水症だから水分補給が出来るということはなく、むしろ脱水症のため経口水分摂取が
出来なくなることが多い。

熱中症は予防が肝心であるが、水分が欲しくなったら飲めばよいのではなく、
事前に予防的に水分補給を行っておくことが有効である。

炎天下で運動をするのであれば、運動開始前に水分を補給し、
運動中も早め早めに水分を飲むことが運動中の熱中症予防の方法である。
一斉に飲めばよいのではなく、個々人に合わせた水分補給が必要である。

屋内や日陰でも同じことで、必要な水分が補給されていないと熱中症になってしまう。
炎天下から日陰に移動し安心してしまい、水分補給を怠ると熱中症になるので注意が必要である。…