2歳11か月男児
ある日の保育日誌から
給食の時、友だちの食べる姿を見るように声をかけ、「おいしそうだね」「上手に食べてるね」など声をかけていると、その姿を見て真似て食べようとする。
保育者が介助することは嫌がるので、カボチャを少しのせたスプーンを手に持たせると口に運び食べてくれた。一口だけであったが、保育者は「おいしいね」「食べられたね」と声をかけ、十分に褒めるようにした。今までご飯以外口にしたことがなかったので保育者皆で喜んだ。今後も無理強いせず、食事を楽しいと感じられるようにしていきたい。
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スタッフは何とかいろいろなものを食べて欲しいと頑張っている。その頑張りがなかなか通じない。一口でも食べてくれた喜びが伝わってきます。食べて欲しいという気持ちは大切です。いつか通じるものです。あきらめないことが大 切です。
この場面も含めて、もう一工夫するともっと通じるかも。
【食物アレルギーの場合】
食物アレルギーがある子の場合、もっと工夫をし、努力をして対応していると思います。食材にアレルゲンが入らないように、食べる時に誤食しないように、誤って食べた時どうするか等々。これはどこでもおこなっていることではないでしょうか。
【この子のための献立】
この子はご飯しか食べてこなかった。多分そうなんでしょう。これまでスタッフは出てきた献立の中から何とかご飯以外を食べてくれないか、一口でも!と思って頑張ってきたのでしょう。皆で喜んだ!、それくらいうれしかったのでしょう。皆で頑張ってきた思いが伝わってきます。
献立作成時に立ち返って、「この子のための」献立まで工夫をするともっと思いが伝わっていくのではないでしょうか。
皆のために作られた献立を想いを込めて食べてくれ!というだけでなく、調理室のメンバーや看護師なども一緒になって「この子ための献立」「この子が食べる献立」を作ることが出来ると良いと思います。食材選びも大切ですし、調理法も大切です。
【この子のための食器選び】
《手で食べる》
この子はスプーンでうまくすくうことが出来ないようだ。この子が出来ないのか?
できないなら手で食べることもひとつの方法と考えてはどうだろうか。
いつか上手に道具が使えるようになるのを待っても良いと、気長に考えるのもひとつの方法でしょう。
《スプーンの形》
スプーンの形を考えてみてはどうだろうか。スプーンの匙の部分は掬いやすいか、柄の部分は掴みやすいか。
《皿や茶碗》
皿や茶碗についても考えてみてはどうだろうか?スプーンで食べるのに向いているか。浅すぎたり,深すぎ
たりしてはいないだろうか。大きさは合っていて食べやすいだろうか。
《食事》
出された食事はスプーンで食べるのに向いているだろうか?堅さはどうだろう。大きさはどうだろう。
この子が「おいしそう」で食べたいと思うようなできあがりだろうか。
できればスタッフから「おいしいね」と言われる前に本人が「おいしい」と喜んでくれるとうれしいですね。