”子供に「ダメ!」と言ってはいけないの?” 最近、こういう質問をたくさん頂くようになりました。「他所の子供なのですが、ものすごく気になること、悪いことをする子がいる。どうしたらよいでしょうか?」どうしたら良いも何も「そういう子としたらダメよ!」と注意すればよいでしょ!?と申し上げるのですが、「でも子供にダメ!と言ってはいけないのでしょ?」と返事が返ってくるのです。
A
大人にとってしてほしくないこと、触って欲しくないところを触られたりすると、ついつい「ダメ!」と言ってしまいたくなります。その「ダメ!」の言葉には、意味がありますよね。例えば、「そこには大切なものがあるから触って欲しくないの。触らないでくれる?」といった具合 に。これをただ単に「ダメ!」としか言っていないのです。・・が子供にはどんな思いがそこにあるのかなんて伝わりません。なぜ怒られたのか分からないので す。確かにその一言で子供は手を止めますが、実際にはその大きな声に威圧されて止まっていることが大半です。ただ「ダメ!」で怒ってしまうと、他人から怒 られるからしないというような考え方を育てかねません。
これをしたら相手が困るから止めようと自分で善悪を判断する力を育てたいですよね。その為にもなぜダメなのかの“なぜ”の部分が大切になってきます「ダメ!」の一言で片付けてしまうのではなく、困っていることをはっきりと表明すべきです。眼差しや表情、さらには声の調子から子供は気持ちを汲み取ってくれ るものなのです。
言葉の分からない年齢の小さな子には言っても分かりません。例えば、食事をするテーブルに乗ったとします。つい怒りそうになりますが、高い所に登れるま でに成長したという風には考えられませんか?「ここはご飯食べる所だからあっちで遊ぼうか?」と登っても良い所を用意してやるのです。それでもテーブルに 登りたがるかもしれませんが、相手は言葉の分からない子供です。一度言ったから、し向けたからと言って分かるはずはありません。気長に繰り返し“こっちだ よ”と伝えてあげて下さい。興味のわくような絵を貼ってやる工夫もあってもいいですね。このころの子供はほとんどが好奇心で動いています。その好奇心を 「ダメ!」と止めてしまうのではなく“これならいいよ”というような環境を作ってやり、それをしっかり見守り、好奇心を自信につなげていってやることが大切だと思います。
言葉が分かるようになり自分のしたことが分かるような年齢にもなれば説明が必要になってきます。この説明の時にそのこの行動をそこで止め てしまう言い方でなく、次の行動も促してやるような言い方をしてみてください。例えば、テーブルに乗ったとします。「テーブルから降りてくれる?ここはご 飯食べる所だから乗ったらきたないよねぇ。あっちのマットに登って遊ぼうか?高い所低い所あって楽しそうよ」という具合にです。案外すんなり“は~い”と 動いてくれるもんなのです。
ただし、本当に危険なこと、命に関わることをしたときは“ダメ!”と大きな声を出してでも止まさせないといけないこともありま すが、理想と現実はとても難しいですが、“ダメ!”と言ってしまうのではなく、“なぜ”を情の部分へ伝えていくことが大切だと思いますよ。