48.保護者への支援

地球上には70億人が生きているが、皆、個性的であり、同じ人はいない。
子どもたちも皆個性的であり、保育を行う上で一人一人の発育・発達について、
生まれてから現在までの過去を理解すること、現在を理解すること、
そして未来を考えていくことが求められる。

子どもたちと同様、保護者もいろいろである。
家庭の中にいろいろな問題を抱えながら子育てに奮闘している保護者、
病気の身体を奮い立たせて一所懸命子育てをしている保護者、
経済的に困窮しているが何とか子どもたちの成長を保障しようと苦労している保護者、
あまりにも多くの困難に直面し育児が出来なくなりそうな保護者、
とにかくいろいろであろう。

保育園は「育児支援」を行うという建前があり、
何となく保護者の味方をしているように見せかけているところが多い。
しかし、少子高齢化が急速に進む中で、保育園の存在意義は大きくなっており、
親身になって心底保護者の味方になっていくことが求められている。
日本の出生数はもうすぐ100万人を割り込んで行くことになろう。
どこで止まってくれるのか、誰も知らない、未知の世界である。

子どもたちが全く居なくなった社会は早晩消え去るのみであろう。
多くの子どもたちが育ちやすく、育てやすい世の中が今求められている。
子育てを支援すると声だかに叫んでも子育て支援にはならない。
一人一人の保護者ときちんと向き合うことから「育児支援」は始まる。
一人一人の保護者の話を傾聴し、一人一人の保護者を理解することが必要である。
そこから「支援」が始まる。

一人一人に必要な「支援」を考え実行していくことが保育園には
今まで以上に求められてくる。保育園のスタッフ一人一人が自らの
果たすべき役割の重要性を理解し、「育児支援」に取り組むことが喫緊の課題である。