子どもたちが大人の希望の範囲内で行動し、対話してくれたら良いと思われがちだが、子どもたちがそこからはみ出すことに大いに意義があると思う。大人から言われたことしか行わない子どもでは困る。自分で考え、自分で判断し、自分で行動する。このためには時には大人の気に入らないこともするのが当然であろう。子どもたちは試行錯誤を繰り返しながら育っていく。いつも大人から命令されている子どもたちは命令がなくなると行動できなくなってしまう。考えながら行動できず暴走してしまうこともあるだろう。普段から考えて行動する習慣がないのだから。子どもたちがはみ出すことを許容する態度が大人には求められる。
「000してはダメ」「あ! ××はダメ」の禁止言葉。
この言葉が多いと「00しなさい」「ちゃんと×して」「次は△をしなさい」などの命令口調も増えがちのようだ。
また、整列したり、一斉に何かをしたり、皆で声を合わせて発声したりという軍隊なみの行為の勧めも好きなようだ。しかも、これらの指示に従わないと次は罰則が出てきがちである。
自分の命に背くから罰則、というのは西部劇でよく出てくるリンチである。ここでいうリンチとは社会の法律とは関係なく個人的な(極く小さな集団による)判断(多くはその場の感情的に)で行われるという意味である。このようなリンチには色々ある。実際にゲンコツで殴る、平手打ちをする、長時間正座をさせるなどの身体に苦痛を与えるものもある。「食べさせない」「おやつ抜き」「給食を全部食べないからと手の平に残った食事を乗せて食べさせる」、いろいろある。言葉で脅す場合もある。相手に精神的ダメージを与える言葉を使う場合もある。脅し文句を使うこともある。「言うことを聞かないと先生(医者)に注射してもらうよ」などは脅し言葉の常套句である。医者は注射などしないのに。
——————————————————————————–Kaname Tanimoto 12.12.15