52.原則は変わらない(1)

保育園の役割は、新制度において明確に規定された。施設そのものが、教育・保育施設と分類され、これまでの保育所とは変わっている。また、教育・保育施設に求められるものとしてこれまで以上に育児支援がある。これは公定価格にも組み込まれ、育児支援を行わなければ評価されない、金銭的に言えば、すなわち給付費が下がってしまう。

育児支援というのは、決して親支援のみではない。子どもたちにとって良いという前提での親支援である。
よく考えて欲しい。例1。極端な例で考えてみる。
専門職についている保護者の仕事が夕方7時30分まで。この保護者に早く帰るように、そして早く子どもを寝かすように、遅くとも9時までにはと専門職の保育士が強く指導したとすればどうなるか。

このように言われた保護者の出来る対応は
① 専門職の保育士のせっかくの指導であるが、無視してしまう。

② 指導に従って、今の職場で今のままで働きながら9時に寝かすように頑張ってみる。
しかし、職場7時30分まで働いて急いで保育園まで迎えに来て、急いで帰って、
風呂に入れて寝かしたら、どうやっても9時に寝かすことが出来ない。
どうしたら良いか、自分は子どもに悪いことをしている悪い親だ。
いつか子どもが問題を抱えてしまうのではないだろうか?

専門職の保育士にもう一度相談してみよう!
1)専門職の保育士は転職を勧めた。それに従って辞表を用意した。
転職先を探してみるがこれまでより条件が悪くとても無理。
2)専門職の保育士は7時30分ではなく、7時で仕事を切り上げることを勧めた。
職場にその旨通告し、7時で帰宅した。職場は混乱し、
多大の迷惑がかかり退職せざるを得なくなった。失業手当で凌ぐ羽目に。お先真っ
暗。
3)専門職の保育士は頑張ってください、というだけで解決策は示してくれない。
結局罪悪感だけが残ってしまっている。一生この罪悪感を持ったまま生きていくし
かない。

この専門職の保育士の言動、行動はどう考えるべきだろうか??
家族は保護者のみで成り立つものでもない。
子どもがいても子どものことだけ考えていれば良いわけでもない。
全て含めて総合的に考えることが必要である。

 

今後、この専門職の保護者、家族について考えていきたい。

 

 

——————————————————————————–Kaname Tanimoto 15.05.25