保育園の紹介や特徴の中に、一人っ子が増えてきておりその為に家庭的雰囲気や兄弟関係を補うことが強調されているのを見かける。
しかし、少子化、つまり出生してくる子どもたちは少なくなっているのは事実であるが一人っ子が増えているというのは少し違うようだ。
戦後の第一次ベビーブームでは240万人の子どもたちが生まれていた、それが今では100万人あまりに減っている。これの主な原因は晩婚化が最も大きなものであろう。
30歳の女性の未婚率は、1985年14%、1990年18.9%、1995年26.2%、2000年33.9%、2005年39.9となっている。また、もう一つの大きな要因として子どもを出産していない女性の増加であろう。40歳で見ると、昭和28年(1953年)生まれの女性では10.2%であった。その後増え続け、1965年生まれの女性で40歳で出産していない女性の割合は24.2%、1969年生まれの女性では27%になっている。
話を一人っ子に戻すと、1960年の一人っ子は44.5%であったが、その後も最低で42.05%、最高48.98%の間で動いている。つまり、一人っ子の割合は決して急増してはいない。ここで見ている一人っ子は、調査時点での一人っ子で、その後、弟や妹が生まれてくるということになる。結婚15年~19年の夫婦で、完結子ども数をみると、1977年から5年ごとの調査(国立人口問題研究所)で、2010年調査までは、大きな変動なく、2.09~2.23人の間で変動していた。2010年の調査で初めて1.96人と2人を割り込んだ。これは、子どもを希望していても現実的に(経済的に)無理な状況が生まれてきているのかも知れない、現在の経済状況の中で、事態はより深刻になってくる可能性がある。それは、第一子、第二子の合計結婚出生率は大きな変動はないが、第三子以上の出産割合が減って来ている事実が示している。3人以上も子どもを育てるには経済的にも大変な負担が生じ躊躇させるものがある。
——————————————————————————–Kaname Tanimoto 12.12.24