手作り

子どもの頃、手袋、セーター、布おむつ、袋物などに限らず、漬け物、干し柿、干瓢などの食べ物、竹馬、弓や矢、竹とんぼなどの遊具でも手作りのものがたくさんあった。ざっと思い出してみただけなので実際にはもっといろいろあっただろう。この時代、手作りでなければ手に入らなかった。恐らく裕福な家では専門職の人が手作りで作った立派なものもあっただろうが、田舎では、親や兄弟が作ってくれるものしかなかった。手作りがよかったのかどうか、よく分からないが、少なくとも買う資力はなく、子どもたちに手作りで与えるしか方法はなかった、今よりも遙かに生活に追われて食べるために一所懸命であった。お金は子どもの遊具より食べ物が最優先の時代である。
最近になれば、手作りのものは貴重になってきている。高価でもあるし(ものにもよるが)中々手に入らないものとなっている。これは手作りのものに比べ、ロボットなどで作られるものの方が質も良く、安価で、デザインなども多種多様で魅力的になってきているからであろう。製法も工夫され、ロボットが作ったのか手作りかよく分からないロボット製のものもある。
保育園などで手作りを強制的に求めることがあるようだが、その真意は何だろうか?
過ぎ去った昔への郷愁か? 手作りだと愛情が籠もるものなのだろうか? 手作りの苦労は子育ての重さを実感させるからだろうか? 手作りに割く貴重な時間は子どもたちの取っても貴重な時間として実感できるから? 私には理解できません、結局は保護者が決めれば良いことであるとしか思えない。

——————————————————————————–Kaname Tanimoto 13.02.01