55.母乳と粉ミルク

母乳の続け方、やめ方はこれまでも何度も議論され右に左に
大きく振れながら今に至っています。
(続けて行く推進論は右か左かは不明ですが?)

母乳は人類が地球上に現れた時からあったと推測できます。
この当時はまだ食べ物も少なく、赤ちゃんは母乳以外で
育つことはできなかったのではないでしょうか?

ということは、赤ちゃんはいつ断乳したのか?、いつ母乳をやめたのか?
多分、結構大きくなるまで母乳を飲んでいた?
食べ物がないときは母乳!!だったのでは?
赤ちゃんは結構長く母乳を飲みながら人類は生き延びてきた、これが真実?
いつ母乳をやめるか、これが現代の問題である。

粉ミルクはWikipediaによれば1800年代に登場(日本は1917年らしい)したそうである。
それまではほぼ母乳であったであろうから、
赤ちゃんにとって母乳をいかに確保して貰うかで
生死が分かれることになっていたであろう。

乳母という人間独特の方法を編み出してからは、
協力しながら多くの子どもたちが助けられたであろう。
こういうことは人間らしさ、人間の良いところである。

母乳崇拝に近い人たちも現在いる。
彼らは愛着、免疫という面から母乳推進論にあまりにも拘りすぎているようにみえる。
母乳さえ飲んでいれば少々の栄養不足は気にしないと断じる人もいるが、さすがに極端であろう。
子どもたちは「子どもの権利条約」を持ち出すまでもなく、
生まれながらに「育つ」権利を持っているのだから、
それを「主義主張」の犠牲にするのは如何であろうか。

母乳崇拝に近い人たちの言うように母乳でありさえすれば問題が何も無いわけではない。
母乳にはある種のビタミン、ミネラルが不足しており死に至っていた
ことも分かって対策が実行されている。
現在の粉ミルクにはこのビタミン、ミネラルは配合されている。

母親がある種のウイルスに感染している場合、
ウイルスが母乳を通して赤ちゃんに感染することが
分かってきて母乳を与えないことが推奨されている。
このウイルスに感染しているかどうかは血液検査で分かるので、
妊娠中に検査することになっている。

現在まだ不明の母乳の問題が今後も明らかにされてくる可能性もある。

母乳はすべてにおいて万能であると考えるのは少し無理がある。
母乳はあくまでも一人一人のお母さん、家族の問題と考えていくのが自然であろう。

粉ミルクにもいろいろあるが、粉ミルクが一方的に勧められるのもどうであろうか。
まず、金銭的負担が大きい、特にアレルギーミルク、下痢用ミルクなど
特殊なミルクは高価である。
ドラッグストアやスーパーなども特売を利用すれば安くはなるが、
数量限定などもあり、結構大変である。
その点母乳は安価である。
また、ミルクを調乳する面倒を考えれば母乳は楽である。

ただ母乳は母親か乳母しか与えられないが、
粉ミルクは父親でも、お祖母さんでも、お祖父さんでも調乳すれば与えられる。
泣きぐずる子どもを抱っこしてミルクを飲ませてご機嫌にする醍醐味を
母親の独占から解き放つ効果がある。
これは父親の育児参加には極めて重要な意味を持っていると考えている。